私が会社をサボった理由。
たまに、すごーくたまに、ベッドに入ってよし寝るぞって時に涙が出て止まらなくなる事があります。悲しくも無いのに。
止まらなくなるのが涙だけなら良いんですよね。多分無視して眠れるから。
ただ、鼻水と息がヒックっとなるやつ。こいつらが良い仕事をするのです。
彼らのおかげで私は眠りに世界へと旅立つ事ができないでいるのです。
そもそも自分が泣いている理由が分からないのです。
確かに世界はとても醜く、悲しい場所かもしれません。
でも今は、私はそういった世界から遠い場所に、私の部屋の、私のベッドの中に、私に安心を与えてくれる場所に居るのです。
そしてこれから6時間、ぐっすりと、眠れるのです。
それでも、私は、涙が流れるはずの無いこの場所で、ただただ泣くしか無いのです。
不思議なもので泣き続けていると、次第にそういった怒りが―涙や鼻水、嗚咽、それらへの怒りが、薄れ、やがて悲しいさや寂しさといった感情が私の中に広がっていきます。
涙が止まらない。
そのとき私が見るのは、懐かしい記憶。取り留めの無い記憶。やさしい記憶。
そのとき私が知るのは、もう二度とあの場所へは行けないという事実。
あまりにも当たり前の事実。
涙が止まらない。
それは漠然とした焦燥感を生み、孤独な私を責め立てるのです。
私は私の信じる最も安らげる場所で、やさしい記憶に包まれながら、それでも私は、私を責めるしかないのです。
この不条理が私に涙を流させるのでしょうか。
どれだけ泣けば私は解放されるのでしょうか。
思い出が、大切な思い出が悲しみで覆われていきます。
涙が止まらない。
涙が、止まらない。