最終話。サクッと行こうぜ。
シリーズが感動の完結を迎えたので。全話分のリンク。
例のごとく飽きたので以下ダイジェスト。
8日目:9月29日(木) 午後
医者が来ていろいろ説明しようとしてたけど考えるのめんどくさいから全部上司に任せた事にして、私分かりません。を決め込んだ。
それから抜歯した歯の経過観察?して。
今のところ問題なくて。
でもアゴ腫れてて痛くてそれを言ったら「最低でも2,3日は痛いよとのこと。」
医者も鎮痛剤に対してナーバスになってるのかなんなのかイブプロフェンしかくれなくて。涙目。
そのあとで麻酔による問題がないかの確認をされたんだけど。
ふらつきとかがあったので明日またやりましょうになった。
夜になって、上司が来たのでお金の話をして、結局通常(麻酔がちゃんと醒めた場合)と同じお金を払う事にした。
上司は不満気だったけどこれからも色々お世話になる病院にに慰謝料請求とかしたくなかったし、熱も頭痛も治ってたんだから正直お金の事はどうでも良かった。
その話し合いの中で私の健忘とパニック発作の事が話題になって、ありがたいことに次の日に精神科の予約を入れてもらえた。余計なお世話。
そして寝た。
9日目:9月30日(金)
朝起きて、ご飯食べた。
麻酔の検査まで時間があるのでボケーっとしてたら栄養士?のお兄さんが来て私の体重が減ってる事とか食事の事とかを色々説明してった。
あと平均体温が低いのはやっぱり色々とよく無いみたいでそれも言われた。
私は別に摂食障害でもなんでもなく、禁煙と過労と熱のせいだってのは知ってるし、体温の事もこれで20年以上やってきてるんだから今更な話だったんだけど、栄養士さんの声がストライクだったのでおとなしく聞いてた。
前にも書いたことがあるけど多分、私は声フェチです。声フェチ。
好きな声ならずっと聞いてられるし、聞いてたくなる。
ちなみに栄養士さんの声はバリトンって言うのかな。深みのある低い声で、でも言葉尻がちょっとかすれてるの。
多分その声の全部がかすれてても、逆にかすれてなくても好きな声なんだけど。
その変化が面白くて、心地よくて、もっと聞きたくて、とても素直に聞いてたと思う。
もちろん話の内容は良く覚えてない。
私は話を聞いてたのじゃなくて声を聞いてたんだから仕方ない。
違うよ。
今回はサクッと終わらせるんだよ。
栄養士さんの話が終わって、 昨日もやった麻酔のテスト。
今日は身体の検査は1発で終わって次は脳みその検査。
このテストの中にIQテストみたいのがあるんだけど、法則性を探したり次に入る記号はどれですか?みたいテスト。
これで少々引っかかった。
実は私はこれが昔から苦手。大学生の時に何回かやったけど、他の人たちが軒並み100点オーバーな中で私はナチュラルに60~70点台を叩き出す。
「よくこの大学入れたねー」とか言われる、いいかそれ結構傷つくんだぞ。
ちなみに60点って言うと天才チンパンジーと同じくらいだから、私はチンパンジーに生まれていれば勝ち組だったのかもしれない。
もちろん今回のテストでも私は人とチンパンの境目の点数を取ったらしく、お医者さんが二人で深刻そうに相談してる。医者が心配するほど今の私のIQは低いらしい。
私もチンパンジー以下の知能になってるのは困るし、いい加減焦れたので直球で聞いてみた「何点だったんですか?」って。
そしたら医者の片方が申し訳なさそうに「76点です。」って言うわけ。まるでがん患者に「余命3ヶ月です。」って患者に告げるように。
その後でIQと実際の能力には直接的な関係がないだの、日常レベルでは問題ない数字だのと説明する医者に、「元からそれくらいです」という罰の悪さといったらこれはまた。
あーそうなんですねーじゃねーんですよ。まったく。
人の頭が悪い事をを喜ぶなんてなんて不届き物なんだ。
そういうわけで麻酔の副作用のテストは無事終了。
ダイジェストだしサクッと行こうサクッと。
部屋に戻ったら何でか知らないけど上司の奥さんがいて私の退院の準備なのか、荷物をまとめてくれている。
3日連続で看病に来てたのだ。さてはお主暇じゃな?とかといういう問題じゃない。
基本的に人の好意を信じられない私にはこの人は私に壷とかイルカの絵を売りつけようとしてるんだろうかと邪推してしまう。
いや、まあもちろんそんな事はなくて、ただ単に、彼女がナイチンゲールの生まれ変わりだってだけのことなんだけど。
それでサクッと退院の手続きを終えて、奥さんにはサクッと帰って頂こうとしたんだけど、どうやら午後の精神科の診療まで付き合ってくれるつもりらしい。サクッとこの人の脳みその構造を知りたくなった。
だってこのときの時間はまだ12時回ったくらいで、私の診療は午後の3時からだよ。
それともあれなのかい?純粋に親切な人って言うのはここまで純粋に人のことを心配出来るものなのかい?純粋って凄い。
なんかもう、ここまで来たら気にするだけ馬鹿らしくなって、「じゃあ私銭湯言ってきますんで」とか言っちゃう。
入院中も体を拭いてもらったりはしてたけどさすがにお風呂に入りたい。でっかいお風呂に入りたい。
そしたら奥さん。「銭湯は3時からだからお医者さんが終わってからね」とまるで子供に諭すように言う。自分が酷く惨めに思えるから、そのナイチンゲールスマイルを何処かにしまって欲しい。
んでもって病院近くのファミレスで食事。
この時も自分のメニューを選ぶのをそっちのけで「ilaaちゃん(この時点でちゃん付けになってる)もこれなら食べられるんじゃないの?」とか言ってくる。
もう止めてくれよ。私の心の隙間に入ってこないでおくれ。
いっそここでマルチとか宗教の勧誘をされたほうが10000000万倍気が楽になる。
そんな(個人的に)気まずい食事を終えたら本気ですることが無くなる。
診察まで残り1時間半。私一人だけだったらこのままファミレスに居座に居座って本を読んで時間を潰せるけど。
そしたら奥さんパフェ頼んでるの。二人分。パフエですよパフェ。そんでもって「頼んじゃったけど食べるでしょ?」って、ナイチンゲールスマイルで。
そこから奥さんのトークショウが始まるんだけど、サクッとカット。
精神科との面談もサクッとカット。
結果は散々だったけどサクッとカット。
何故かその結果が私より奥さんに先に説明されてたけどサクッとカット。
手術の立会人として来て貰ってるんだから親族と勘違いされても仕方なけどサクッとカット。
結果を上司にチクられてサクッと休職になりました。
サクッと。